今回の月例会では、株式会社NearMe 代表取締役社長の髙原幸一郎氏をお迎えし、『これからの移動はどう変わるのか ~秘書が知っておきたい「選択肢」の広がりと移動の未来~』についてお話いただきました。SAP、楽天を経てご自身で創業されるまでの歩みから、事業を通じて社会課題に向き合う経営者の視座に触れることができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
特に、「もったいなさに向き合う」というアプローチは、日々役員の移動や出張の手配を担う秘書にとって、大変示唆に富む視座であったと感じております。タクシーの半数以上が空席のまま走行し、供給は過去15年で4割以上減少している——この構造的な課題に対し、「1台を複数人でシェアする」という発想で解を示されたことは、既存の枠組みを前提とせず課題そのものを捉え直す姿勢の大切さを改めて認識いたしました。深夜のタクシー待ちの行列という日常の不合理を、ご自身の原体験として事業の起点にされた点も強く印象に残りました。
秘書実務においても、多くの学びがございました。フライト番号から迎車時刻が自動算出される仕組み、確実に手配が確定する事前予約、乗客本人へ運行情報を直接通知できる代理入力機能、待機時間や到着時のミートサービスといった選択肢は、コストと確実性の両立、そして手離れの良さという私たちの実務課題に直接応えるものでございました。会場・オンライン双方から質問が相次ぎ、車椅子利用時の手配や交通空白地域の課題まで議論が広がりましたことも、この分野への関心の高さを物語っていたと存じます。
髙原社長が描かれる、シェアが当たり前となり「住みたいまちに住み続けられる」社会という展望は、目の前の一件の手配が、その先の社会のかたちにつながっていることを教えてくださるものでした。今回得た視点を日々の実務に活かし、常に新しい選択肢を持ち続ける秘書でありたいと、改めて感じる貴重な時間となりました。(まとめ:月例会委員)
詳細
| 日時 | 2026年8月10日(月)19:00~20:30 |
|---|---|
| 会場 | 対面(日本秘書協会研修室)または オンライン(ZOOM) |
講師プロフィール
髙原 幸一郎 氏 (株式会社NearMe 代表取締役社長)
シカゴ大学経営大学院卒。2001年SAPへ新卒入社。国内外の様々な業界の業務改革プロジェクトに従事。2012年楽天に入社。物流事業の新規立ち上げ、日用品EC事業の責任者、米・仏グループ会社の取締役やCEOなどを歴任。日本には豊富な地域資源があるのに「もったいない」ことが多く、今後は日本の地域活性化に貢献したいという思いで日本に帰国。地域課題でも特に深刻なドアツードアの移動問題に取り組むことで「住みたい街に住み続けられる社会の実現」を目指し、2017年株式会社NearMe(ニアミー)を創業。2018年からシェアリングエコノミーのMaaSサービス、AIを活用した「移動のシェア」サービスを複数展開している。

