4月 月例会 トランプが壊す国際秩序と日本の戦略レポート レポート

今回の月例会では、公益財団法人笹川平和財団 上席フェローの渡部恒雄先生をお迎えし、『トランプが壊す国際秩序と日本の戦略』についてお話いただきました。国際情勢の第一線でご活躍される先生の鋭い分析から、多くの学びを得ることができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
特に、「人物像を正しく理解する」というアプローチは、組織の要としてリーダーを支える秘書にとって、大変示唆に富む視座であったと感じております。
私たちが無意識に抱く「リーダーとはこうあるべきだ」という既成概念を一度手放し、対象をありのままに観察することが重要であることを改めて認識いたしました。トランプ氏の行動原理を「異質」と切り捨てるのではなく、氏独自の経営哲学や実利に基づいた論理を正しく把握しようと努めることで、初めてその言動の背景にある一貫性が見えてきます。
秘書実務においても、自身の価値観や規範を投影しすぎず、先入観を持たずに「トップが何を重視し、どのような論理で動いているのか」を冷静かつ正確に捉える。この深い洞察こそが、忙しい上司の意向を先読みし、物事を円滑に進める力の源泉になることを改めて認識いたしました。
渡部先生が提示された視点は、混沌とした状況下で本質を見極めるための現実的な知恵でございました。不確実な時代を「新しい理解の機会」と捉え、変化する情勢の中で主体的に動く秘書の専門性を磨くことの重みを認識する貴重な時間となりました。どのような変化の中にあっても、上司と共に最良の結果を生み出せる「右腕」となれるよう研鑽を積んでまいりたいと存じます。(まとめ:月例会委員)

詳細

日時 2026年4 月10 日(金) 19:00~20:30
会場 対面(日本秘書協会研修室)またはオンライン(ZOOM)

講師プロフィール

渡部 恒雄 氏(笹川平和財団 上席フェロー)

歯科医師を経て、米ニュースクール大学で政治学修士課程修了。米戦略国際問題研究所(CSIS)に入所し、主任研究員を経て上級研究員として、日本の政党政治、外交安保政策、日米関係およびアジアの安全保障を研究。帰国後は、CSIS では非常勤研究員を務める。三井物産戦略研究所主任研究員を経て、東京財団政策研究ディレクター兼上席研究員を歴任し、笹川平和財団の特任研究員として移籍。2017 年10 月より上席研究員を務め、2024 年4 月より現職。外交、安全保障政策、日米関係、米国の政策分析を専門とし、報道各局で国際問題を解説。また外務省誌『外交』の編集委員を務め、現在は防衛省防衛施設中央審議会委員を兼任。著書に『国際安全保障がわかるブックガイド』 『NATO を知るための71 章』など多数。